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循環器疾患の診断 Ⅰ 症状のとらえ方 心不全では呼吸困難胸痛、動悸、チアノーゼ、浮腫がみられ重症例では循環不全によるショック症状がみられる。狭心症や心筋梗塞の虚血性心疾患では、胸痛が主要な症状であるが、心不全を伴えば呼吸困難チアノーゼ、ショック症状がみられる。高齢者や糖尿病がある...
循環器疾患患者看護の基本 Ⅰ 患者の特徴と看護の役割 1.生じやすい身体的問題 1.生命の危機 循環器系の働きとは、心臓のポンプ作用により全身に血液を循環させることである。全身を回った血液が心臓に戻り、肺でのガス交換により新鮮な酸素を含んだ動脈血に変わった血液を再び全身に送り出す...
心臓リ八ビリテーション Ⅰ 心臓リハビリテーションの理解 WHOの定義によると、心臓リハビリテーションは、「心臓病患者が可能な限り良好な身体的・精神的・社会的状態を確保するのに必要な行動の総和である」とされている。心臓リハビリテーションを行う目的は、以下の3点である。 ①運動開始...
人工ペースメーカー装着患者の看護 Ⅰ 人工ペースメーカー装着の理解 1.人工ペースメーカーが適応となる疾患 心臓は心筋の自動能によって拍動している。拍動の起始部は洞結節であり、洞結節の筋線維が自動的に反復興奮を繰り返し、心房から心室へ興奮が伝えられることによって心臓は拍動を続ける...
低血圧症 低血圧症(hypotension)のはっきりした定義はないが、収縮期圧が100mmHg未満で、いろいろな愁訴や症状を伴うものをいうことが多い。愁訴や症状のない場合は、収縮期血圧が100mmHg未満であっても、病的な意味はない。 基礎疾患の有無から、本態性低血圧症と症候性...
浮腫 浮腫とは、いわゆる「むくみ」のことで、皮下組織に液体が貯留した状態である。これは細胞外液のうち組織間液が異常に増加し、皮膚が腫脹してみえる状態を指している。多くは皮膚を圧迫するとその部分がへこんで戻らず、圧痕を残す。 1.浮腫の原因 浮腫は種々の原因によって生じるが、全身性...
末梢動脈疾患 1.閉塞性動脈硬化症 閉塞性動脈硬化症(arterioscler osisobliterans:ASO)は、動脈硬化性病変により大動脈分岐部や四肢動脈の狭窄または閉塞によって虚血を呈する疾患で、主に下肢に虚血症状がみられる。糖尿病、高脂血症、高血圧症などの動脈硬化危...
治療疾患 総胆管結石 方法 内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)の技術を応用した治療手技であり、通常は、胆管・膵管の造影を行なった後に追加される。 ERCPと同様の手技で乳頭切開用の電気メス(スフィンクテロトーム)を乳頭内に挿入し、通電して切開を行なう。ERCPに用いたガイドワ...
食事療法・栄養療法を受ける患者の看護 Ⅰ 食事・栄養療法 疾患において、治療は、障害臓器の組織修復と、失われた機能の正常化を目標とする。 消化管の機能維持 消化管は、栄養素を消化吸収するほかに、ホルモンやペプチドを分泌し、腸管粘膜の形態および機能を維持し、付属リンパ組織からは免疫...
精神保健法から精神保健福祉法へ 1)精神保健法成立の背景 地域ケア体制が導入されはしたものの、入院中心の治療の実態は容易に変化せず、しかも入院患者の人権が十分に保障されない状況が依然として続くなか、1984(昭和59)年、宇都宮病院事件が発生した。 この事件は、当時の看護士による...
自発性減退(自閉症状) 1.特徴 精神活動の能動性や自発性の低ドから、他人や外界との接触を嫌い、自らの殻に閉じこもった状態をいう。 看護師の働きかけに応じることも少なく、動きも緩慢で、すぐにやめてしまう。自己の観念の世界に入り込み、周囲の患者からも孤立している。看護師が働きかけな...
アルコール依存と薬物依存 1.アルコール依存 (1)アルコール依存、薬物依存の病理 アルコール、睡眠薬、鎮痛薬、覚醒剤、シンナー、麻薬などを常用していると、やめようと思ってもやめられない、何が何でも摂取し続けたいという状態になる。このような気持ちのうえでの欲求を精神依存という。ま...