論文の書き方

論文とは

論文とは、論理的に書いた文書として、あるテーマに関する事象を調べるための調査・論法を序論・本論・結論という原則にしたがって展開し分析、考察した結果を土台に自分なりの意見を述べた報告書です。予め問題が設定されている課題レポートは違って、論文の場合はテーマの設定を自分自身が行います。良い論文は自分なりの視点でのテーマが設定されており、結論でどのくらいの説得力と独自性を持っているかという点です。
それでは、論文の書き方はどうすればいいのか調べてみましょう。
まず、論文のポイントとは下記になりますので、念頭におきましょう。

1 . 何の問題をどのような目的を持ってなぜ研究するのか?
2 . どのように解決するのが良いのか?
3 . その解決法はなぜ可能か?
4 . 充分な証拠は示されるか?

論文とは自分が定めた研究課題に沿って研究したことの結果や分かった事を仮説にともなって証明しながら書き記したものです。研究と課題の設定その背景を明示し、研究目的を明確にすることが大切です。論文の場合、自分で立てた仮説と理論をもとに見解や結論を研究の結果導きだし、その結果を筋道たててまとめる必要があります。

大学からの訓練は、社会に出てから種々の報告書を書く際にも役立ちます。報告書であれ、プレゼンテーションであれ、読み手、聞き手にとってわかりやすく説明ができるようになるよう大学生からそのスキルを身につける事は大切です。社会人になると会社から様々な形式の報告書の提出をもとめられるので、学生の頃から自身の言葉で文書を作成するという作業を見につける必要があります。

論旨の展開方法

1 . 研究する理由を書く。
2 . 学界の流れからみた本研究を位置付けを予告するように誘導する。
3 . 研究課題の絞込みを説明する。
4 . 理論と実施計画を片付ける。
5 . 道具や作ったものの説明をする。
6 . 結論を出す。

論文を書く時の注意点

・ 最後まで読まないと結論が見えないような書き方はさけること。
・ 図と写真を引用する。図も写真も無い論文は書けない。
・ 書きやすいところから書く。
・ 事実を踏まえるということ。
・ オリジナルリティがあるということ。
・ 感情論に走らないということ。
・ 昇任試験の論文とは違うということ。
・ 論文は異なる提言書とは全く違うということ。
・ 他人の論文を参考文献に取り上げる基準と理由はさけること。
・ 先輩の成果を書き写して、自分の考えや成果を曖昧にしないこと。

1 資料・文献を探す

先行研究を参照することなしに、論文はありえませんのでまずは先行研究から探す。他の研究者や筆者の考え・理論・主張を論文に引用する場合は必ず「引用」を明記するようにしましょう。研究したいテーマに関連する資料・文献を入手する方法は、関連主題を扱った参考図書、雑誌論文、雑誌記事、インターネットのサーチエンジンから検索するなどの方法が有ります。参考図書とは辞典・事典・用語集・年鑑・統計集・図書の目録・図鑑などです。
参考文献を使わず、全部自分の考えをまとめて書くのは無理です。色々な資料や文献などを調べながら参考になった部分がありましたら、必ず参考文献を表示してください。参考文献を表示しない場合には、法律的に著作権違反行為になります。参考文献を表記する際には、筆者・編者・訳者・書名・出版社名・出版年は必ず明記することが必要です。引用した場合は、ページなども入れることが求められます。総計・資料を利用したり、表や図を転用する時にも、出所を明示することが必要です。また、何からのホームページを参照したり、そこから引用した場合には、URLとページを開いた年月日を明記することが必要です。

2 論文の形式

原則としてはA4用紙を縦に使用し横書きで作成します。表紙にはタイトル、氏名、学籍番号、実習名、担当教員を明示します。大学によっては表紙ではなくレポートの下記に学籍番号、氏名を表記など表示方法が異なります。
・ 表紙
・ 概要 (1ページ)
・ 目次 (1ページ)
・ 本論 (10ページ以上)
・ 結論 (1ページ)
・ 付録 (5ページ以下)
・ 参考文献 (1ページ)
  (※ あくまでも1例で、学校や分野ごとに違いが有ります。)

3 論文の音・節、ポイントシステム

- 音・節 -

前書き
   第1章
      第一節
      第二節
   第2章
      第1節
おわりに

- ポイントシステム -



1.1
1.1.1.

2.1
2.1.2

- ローマ数字式 -

Ⅰ 1 1)(1)①
2 Ⅱ 1 ⅢⅣ

4 論文の書き方

論文の基本構造は「序論」、「本論」、「結論」であると考えられます。この体栽をとりながら自分で仮説とテーマを設定し意見や見解についてその根拠を立証し述べていくためにさまざまな証拠を挙げながら理論を立てていることが論文では大切です。論文での基本構造の割合は一般的には「序論」→1割、「本論」→8割、「結論」→1割ぐらいとなっています。

これはレポートの作成として一番重要なポイントです。レポートを書く場合、序論や結論には一つの段落をあてます。本論は、論理にしたがっていくつかの段落に分かれます。200字程度をメドに改行をして、段落を作っていきます。一つの段落には一つの主題があります。ですから、小見出しをつけ、それを並べていくと、全体の論旨につながりが見えてくるはずです。

(1) 序論

序論では論文全体における紹介の部分です。まず、「どのような研究課題を扱うのか」、「その研究を取り上げることの目的や重要性は何か」、「何を明らかにするのか」、「どのような仮説をあげられるのか」を明確にすることが大切です。本論の内容の理解を助けるために序論として設けられています。そして、読み手に興味を抱かせ、「中身を読んでみたい」と思わせ書き手の研究の主となる課題や目的を読み手に分かりやすく簡単にまとめなければなりません。

(2) 本論

本論は自分のたてた仮説や主張したいことに沿ってその現象を証拠づけ積み上げていく部分です。証拠の展開を繰り返し自分なりの議論を深めていく章です。証拠づけとして調査結果やアンケートの統計、調べた資料、実験結果や参考文献を使用します。本論の途中では余計なことや本論から逸れるようなものを入れてはいけません。

(3) 結論

本論で論じた内容に基づいて、書き手の最終的な意見や結論「書き手の言いたいことはこういうことです」が述べます。何がどのように解明され、研究した結果課題として残った部分を記載しこれからの課題を明らかにします。 「起承転結」は論文やレポートにあまり向いた構造ではありません。論文はあらかじめいくべき方向性が定まっています。「転」のような予想外の内容や、予測できない内容をあえて盛る必要はありません。「テーマを別の角度から検討すること」は論文の書き方ではありますが、「転」と同じ意味ではありません。 初めて読んだ人が理解のできるように、書き手の研究内容を明確にしつつ整理し述べるといいです。

5 終わりに

論文は普段課題として大学で提出するレポートとは違って調査方法もより正確な科学的根拠に基づいた調査をする必要があります。書き手の考え方や調査の結果を説得力のある説明と根拠のある文として書くには、事前から徹底的な下調査と準備が肝心です。
参考になる先行研究やそれにまつわるイシューや新聞記事など多様に資料を集めていく必要があります。また、研究の結果を明確に出すためにも、研究テーマに合った調査方法で進めていくことが大切です。ハッピーキャンパスにも卒業論文の資料がありますので、たくさんの資料に目を通しより完成度の高い論文を作成して下さい。