会社法事例演習教材 第二版 Ⅰ‐10解答

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    資料紹介

    会社法事例演習教材 第二版の解答です。問題は紛争解決編(第Ⅰ部)と紛争予防編(第Ⅱ部)に別れており、それぞれ12テーマずつ。会社法における最良の演習書であると考えます。
    解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。 そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、充実した内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有効な内容となっております。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1-10
    設例10-1
    ・Bの責任
    AのP社からの借入れは、356条1項2号の利益相反取引(直接取引)にあたる。そして、Aが弁済を怠って損害を生じさせているため、当該取引について賛成し、または貸付を決定した代表取締役Bは、423条3項2号または3号によって任務懈怠責任を負う。
    そこでXは、847条1項によって会社にBに対する責任追及の訴えの提起を請求することができる。そして、請求の日から60日以内に会社が訴えを提起しない場合、847条3項により、この責任は株主代表訴訟により追及することができる。
    (1)Aの責任
    Q1 株主代表訴訟によって、任務懈怠責任・貸し金返還請求ができるか
    取締役Aは、取締役会の承認のもと直接取引としてP社から1億円を借り受けている(356条1項2号、365条1項)。そして、Aはかかる借受金の弁済を怠っている。
    かかる返済義務の懈怠については、取締役の会社に対する取引債務についても、取締役は忠実に履行すべき義務を負っていると解すれば、Aは423条1項によって任務懈怠責任を株主代表訴訟によって追及されることが考えられる。
     では、取締役Aに対して貸金返還請求をするこ...

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