「わが国において、1990年代に至ってあらわになった「景気の自律的拡張のメカニズム」と「信頼構造」とが壊されたという事態について、1)その事態を具体的に明らかにし、2)それをもたらした「源流」としての「構造改革」の思想・政策の核心的内容を説明せよ。」
わが国において、1990年代に至ってあらわになった「景気の自律的拡張のメカニズム」と「信頼構造」とが壊されたという事態については、1990年代に至るまで日本経済は、「景気の自立拡張のメカニズム」と「信頼構造」により、確立されていた。しかしながら、バブル景気が崩壊し、「構造改革」の失敗から、「景気の自律的拡張のメカニズム」と「信頼構造」が壊された。バブル景気崩壊の引き金となったのは、総量規制であると考えられる。総量規制とは、大蔵省銀行局からの通達として1990年3月末に出されたもので、「土地関連融資の抑制について」の中に含まれる内容の1つです。全国の金融機関は、四半期ごとの不動産業界向けの融資残高を、貸出残高全体以下の伸び率に抑えることが義務づけられました。これによって、土地を担保にした融資の拡大を抑えようというもので、地価高騰は本格的に抑...