ベンチャービジネス概論
夏期レポート課題
題材●ピラミッド構造の特徴とそれが現代企業の中でどのような悩みを生んでいるか。
組織が専門化されていく中で作業も細分化されてくる。職務の専門化(分業)、部門化を行うことによって、次にそれを管理するシステムが重要になる。近代化や産業化に伴い、社会制度の重要な編成原理として官僚制組織(ピラミッド組織)は主に大企業に取り入れられていった。古い非効率な組織という現在のイメージは1980年代以降、非効率性が指摘されフラット組織など、よりフレキシブルな組織編成を志向するようになってからのことであり、ピラミッド組織は、最も自然で原理的、職務範囲の決定とコントロール様式という組織構造を決定する要因のなかでもっとも基本となるこの二点を最も合理的に編成した組織ともいえる。
現代では大企業の典型的な組織形態であるが、ピラミッド構造の歴史自体は長く、教会や軍隊などがこの構造を持っていた。官僚制組織が成立する以前の組織では、強力なリーダーシップを持った個人が主導していくという、極めて恣意的な意思決定の下に組織運営がなされていたため、官僚制は現在のイメージとは逆に、効率的、公平、民主的な組織運営を可能にした。ピラミッド構造の特徴は①標準化、②文書化、③特化(専門分化)、④集権化という四つが挙げられる。職務は専門化、分化しており、この専門性ゆえに官僚組織は独立した組織としての権威を保持することが可能である。また、職務上の権限は階層化しており、ピラミッド型の組織構造を持つ。ピラミッド構造とは効率性の追求から、階層上級者の指示命令を絶対のものとする価値観を定着させてきた。その為、下位者は全体のことを考える必要がなくなった又は絶対服従の中で思考はむしろ邪魔となり、階層が下へ行けば行くほど隣の人がやっていることは気にしないという縦割りの特徴が強く出てくる。また、組織を動かしていくためには、階層差を目に見える形で示し、価値観を上下として徹底させる必要がある。仕事の場以外でも服従が求められる。このような非効率的で愚かしいともいえる習慣はいまだに残っている。また、意思決定のスピードが遅いのも欠点だ。(ただしルーチン化した業務には適する時もある。)組織の形からくる問題点の他に、現代の日本の状況からくるものもある。それは高齢化と少子化によりピラミッド構造の形が崩れてしまうのではないかという問題だ。
こうしたさまざまな問題を解決するために様々な新しい組織構造が取り入れられてきている。すばやい意思決定をするために階層を従来のピラミッド型に比べて少なくしたフラット組織や、上意下達というピラミッド組織とは対照的に、階層のそれぞれが独立して意思決定を行い、ビジョンやバリエーションを共有する自律型組織だ。フラット組織は、階層が少ないだけでマネジメントの実態はあまり変わっていないものもあるが、自律型組織は、組織内の各チームがビジョンを共有し、各個人が学んでいることを組織の経験として蓄積し、独自のカルチャーを醸成できる、つまり『学習する組織』になりうるという大きなメリットがある。
また、高齢化・少子化の流れを受けて、ピラミッド組織を持つところは皆、制度として職能資格制度(職階制)を取り入れている。職能資格制度とは、ピラミッド上の職位とは別に、各人のキャリアパス上に資格を設け、職位が空いていなくても、その資格はあるが上に上がれない人の資格を一つ上げてあげることができ、(一般的には『昇格』と呼ばれ、役職が上がる『昇進』とは区別される)給与体系はこの資格に基づいて決定され、
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夏期レポート課題
題材●ピラミッド構造の特徴とそれが現代企業の中でどのような悩みを生んでいるか。
組織が専門化されていく中で作業も細分化されてくる。職務の専門化(分業)、部門化を行うことによって、次にそれを管理するシステムが重要になる。近代化や産業化に伴い、社会制度の重要な編成原理として官僚制組織(ピラミッド組織)は主に大企業に取り入れられていった。古い非効率な組織という現在のイメージは1980年代以降、非効率性が指摘されフラット組織など、よりフレキシブルな組織編成を志向するようになってからのことであり、ピラミッド組織は、最も自然で原理的、職務範囲の決定とコントロール様式という組織構造を決定する要因のなかでもっとも基本となるこの二点を最も合理的に編成した組織ともいえる。
現代では大企業の典型的な組織形態であるが、ピラミッド構造の歴史自体は長く、教会や軍隊などがこの構造を持っていた。官僚制組織が成立する以前の組織では、強力なリーダーシップを持った個人が主導していくという、極めて恣意的な意思決定の下に組織運営がなされていたため、官僚制は現在のイメージとは逆に、効率的...