1・地域福祉の展開
1973年のオイルショックを境に、国や地方自治体の財政が悪化した結果、公的責任の範囲の縮小、家族・地域社会の相互扶助の強調、更に、民間活力の利用の意図が政策の中にみられ、「福祉見直し論」「日本型福祉社会」論が展開された。そして「公的責任の縮小」「相互扶助の強調」「民間活力の利用」をキー・タームに、社会福祉の伝統的公私関係論にも、その再検討を迫った。高齢化社会の到来に備えての政策的対応の例として、社会福祉の「地域化」「分権化」がある。
地域福祉の概念規定における機能的アプローチと構造的アプローチについて述べなさい。
1・地域福祉の展開
1973年のオイルショックを境に、国や地方自治体の財政が悪化した結果、公的責任の範囲の縮小、家族・地域社会の相互扶助の強調、更に、民間活力の利用の意図が政策の中にみられ、「福祉見直し論」「日本型福祉社会」論が展開された。そして「公的責任の縮小」「相互扶助の強調」「民間活力の利用」をキー・タームに、社会福祉の伝統的公私関係論にも、その再検討を迫った。高齢化社会の到来に備えての政策的対応の例として、社会福祉の「地域化」「分権化」がある。
社会福祉の地域化は、1990年の社会福祉事業法の改正により、その基本理念で、「地域において必要な福祉サービスを総合的に提供されるように、社会福祉事業その他の福祉を目的とする事業の広範、かつ計画的な実施に努めなければならない」とし、また条文でも福祉サービスの供給に際しての、「地域に即した創意と工夫」が明文化された。これらは利用者の生活に近く、実情をより理解することのできる自治体において、福祉サービスの提供を実施しようとするものである。しかしそれは同時に、財政...