○ 発電用原子炉の基本構成
発電用原子炉は、核分裂反応によって発生する熱エネルギーを外部に蒸気として取り出すものである。取り出された蒸気の熱エネルギーは、タービンを作動させて直結する発電機に機械力を与えて発電する。発電用原子炉の基本構成は、燃料・減速材・制御棒・冷却材・遮蔽材などからなる。特に、燃料と減速材で構成される部分を炉心という。
現在主に用いられている核燃料には、低濃縮ウランがある。これを被覆管に入れて密封した燃料棒を数十本束ねた状態で原子炉内に挿入される。減速材とは、高速中性子を熱中性子に減速する材料である。主に軽水(H2O)、重水(D2O)、黒鉛(C)などが用いられている。制御棒は、原子炉内の中性子密度を制御するもので、合金などが用いられている。冷却材とは、燃料を冷却して被覆材が融解するのを防ぎ、また原子炉内の熱エネルギーを原子炉外へ運び出す役割を持ち、軽水、重水、二酸化炭素、ヘリウム等が用いられている。遮蔽材は、炉心からの高速中性子やガンマ線の影響を遮断する材料で、生物学的遮蔽(人体の保護)、熱的遮蔽(原子炉構造物を保護)するために高密度コンクリート(鉄鉱石や鉄くずなどを入れることが多い)が用いられている。
○ 軽水炉原子力発電とは
現在、世界にある原子力発電所のおよそ80%は軽水炉型である。この軽水炉型の長所には、(1)軽水(=水)は優れた減速材・冷却材である (2)酸化ウランは核燃料及びその中に蓄積する放射性物質が冷却材に溶け出しにくい (3)火力発電所の建設技術を活用できる ことが挙げられる。また、短所には、(1) 軽水は中性子を比較的吸収しやすいので、天然ウラン燃料では連鎖反応は不可能で、2〜3%の濃縮ウランが必要である (2)水は高温で圧力が上がるため、原子炉内を循環する冷却材の流れる配管は耐圧構造にする必要がある ことが挙げられる
電気エネルギー工学
発電用原子炉について
2005年7月20日
○ 発電用原子炉の基本構成
発電用原子炉は、核分裂反応によって発生する熱エネルギーを外部に蒸気として取り出すものである。取り出された蒸気の熱エネルギーは、タービンを作動させて直結する発電機に機械力を与えて発電する。発電用原子炉の基本構成は、燃料・減速材・制御棒・冷却材・遮蔽材などからなる。特に、燃料と減速材で構成される部分を炉心という。
現在主に用いられている核燃料には、低濃縮ウランがある。これを被覆管に入れて密封した燃料棒を数十本束ねた状態で原子炉内に挿入される。減速材とは、高速中性子を熱中性子に減速する材料である。主に軽水(H2O)、重水(D2O)、黒鉛(C)などが用いられている。制御棒は、原子炉内の中性子密度を制御するもので、合金などが用いられている。冷却材とは、燃料を冷却して被覆材が融解するのを防ぎ、また原子炉内の熱エネルギーを原子炉外へ運び出す役割を持ち、軽水、重水、二酸化炭素、ヘリウム等が用いられている。遮蔽材は、炉心からの高速中性子やガンマ線の影響を遮断する材料で、生物学的遮蔽(人体の保護)、熱的遮蔽(原...
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