「いじめの問題についてー教育福祉の立場から」
はじめに
これまで、いじめについて子供の性格傾向個人的な要因に原因をみるという見方が主流であったが、いじめが発生する背景には、実に様々な問題が絡んである。まず、子供自身の問題としては、自我の未熟さや社会性の未発達が指摘されている。一方、教育の問題としては、管理主義体制を排除する傾向、学歴偏重一元的価値による差別を生み出す構造などがある。
また、家庭の問題としては、少子化による過保護や過剰期待、そしてもう一方の極にあるのが家庭崩壊(家庭内離婚など)に見られる心理的放任の問題がある。
さらにその背景には、排除の論理に支配され、心の豊かさを忘れた競争社会、劣悪なモラルや人間不信に汚された社会の実態、地域の教育力の低下など社会的な要因が横たわっている。
「いじめ問題」の学校現場の要員とて、学校環境の魅力の乏しさ、協調性の乏しい生徒の多いクラス、教師の偏った教育観などが挙げられる。特に、いじめにあっている子供の中には、友人関係や教師との関係など、学校での人間関係での問題を抱えている子供が多い。
また、学校現場において、これまで教育委員会の指導の下...