細菌感染に対する主な治療薬とそれぞれの薬の作用メカニズム並びに注意しなければならない副作用について述べよ。
細菌感染の治療に使用する薬(化学療法剤)には、抗生物質と合成抗菌剤があり、それぞれのなかにも化学構造や作用メカニズムにより、更にいくつかの種類に分類される。
Antibiotic(s)(抗生物質)の語は1941年にセルマン・ワクスマンが定義した「微生物によって作られ、微生物の発育を阻止する物質」が原義である。
抗生物質は、微生物の産生物に由来する抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤そして抗腫瘍剤であり、その大半が抗菌剤である。なお、ピリドンカルボン酸系(キノロン系、ニューキロン系)やサルファー剤など、完全に人工的に合成された抗菌性物質も一般的には「抗生物質」と呼ばれるが、厳密にはこれは誤りで,
「合成抗菌薬」と呼ぶのが正しい。抗菌性物質、合成抗菌薬をあわせて、広義の「抗菌薬」と呼ぶ。
抗生物質
ペニシリン系
⒜主たる効果;連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球
菌、淋菌等のグラム陽性菌やスピロヘータの増殖を抑制しする。また、広域型ではインフルエンザ菌、赤痢菌等のグラム陰性菌にも効果がある。
⒝主たる副作用;まれに、過敏症の方にアナフラシキーショック、発疹、頭痛、めまい、吐き気などが現れる。また、長期投与で造血器、腎臓、肝臓、胃腸、中枢神経の障害が心配される。間質性肺炎、溶血性貧血、ライエル症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群等の重篤な副作用も極々稀にある。なお、服用してすぐにのどのしめつけ感、冷や汗、不安感、吐き気等のアナフラシキーショック症状がでたらすぐに病院にいくべきである。
(e)主たる薬剤;バイシリン、シンセペン、アモリン、サワシリン、パセトシン、オーグメンチン、コンビペニックス他。
②セファム系
⒜主たる効果;ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌等のグラム陽性菌や大腸菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、変形菌等のグラム陰性菌の増殖を抑制する。また、一部は緑膿菌にも効果がある。ただし、スピロヘータや淋菌には効果が弱い。
⒞主たる副作用;ペニシリン系に比べ副作用は少なくなっている。がまれに過敏な方にアナフラキシーショック、発疹、発熱、頭痛、めまい、吐き気が現れることがある。長期服用では、腎臓、造血器、肝臓、胃腸の障害が心配される。間質性肺炎、溶血性貧血,ライエル症候群、偽膜性大腸炎、スティーブンス・ジョンソン症候群等の重篤な副作用もごくまれにある。なお、服用してすぐにのどのしめつけ感、冷や汗、不安感、吐き気等のアナフラシキーショック症状がでたら、すぐに病院に行く必要がある。
⒟主たる薬剤;ケフラール、L-ケフラール、ブリセフ、サマセフ、ケフレックス、シンクル、センセファリン、ラリキシン
③アミノグリコシド系
⒜主たる効果;大腸菌、肺炎桿菌、変性菌、シントロバスター等のグラム陰性菌の増殖を抑制。球菌ではブドウ球菌やブランハメラに効果がある。
⒝主たる副作用;まれに過敏な人にアナフィラシキーショック、発疹、発熱、頭痛、めまい、難聴、手足のしびれ、呼吸抑制が現れることがある。また、長期服用では、腎臓、肝臓等の障害が心配される。ただし、造血器障害は少ない。また、服用してすぐにのどのしめつけ感、冷や汗、不安感、吐き気等のアナフラシキーショック症状がでたらすぐに病院に行く必要がある。
(e)主たる薬剤;カナマイシン、フラジオマイシン、フラジオ、フラセチンT、ゲンタシン、パニマイシン、トブラシン他。
④マクロライド系
⒜主たる効果;ブドウ球菌、連鎖球菌、肺
細菌感染に対する主な治療薬とそれぞれの薬の作用メカニズム並びに注意しなければならない副作用について述べよ。
細菌感染の治療に使用する薬(化学療法剤)には、抗生物質と合成抗菌剤があり、それぞれのなかにも化学構造や作用メカニズムにより、更にいくつかの種類に分類される。
Antibiotic(s)(抗生物質)の語は1941年にセルマン・ワクスマンが定義した「微生物によって作られ、微生物の発育を阻止する物質」が原義である。
抗生物質は、微生物の産生物に由来する抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤そして抗腫瘍剤であり、その大半が抗菌剤である。なお、ピリドンカルボン酸系(キノロン系、ニューキロン系)やサルファー剤など、完全に人工的に合成された抗菌性物質も一般的には「抗生物質」と呼ばれるが、厳密にはこれは誤りで,
「合成抗菌薬」と呼ぶのが正しい。抗菌性物質、合成抗菌薬をあわせて、広義の「抗菌薬」と呼ぶ。
抗生物質
ペニシリン系
⒜主たる効果;連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球
菌、淋菌等のグラム陽性菌やスピロヘータの増殖を抑制しする。また、広域型ではインフルエンザ菌、赤痢菌等のグラム陰性菌にも効果がある...