1.少子化
?少子化の原因
スウェーデンは他の国よりも早く高齢化が始まった国であるが、他の国と決定的に異なるのは少子化が起こっていないということである。日本では少子化の原因として、女性の高学歴化による晩婚化・未婚女性の増加・就労率の上昇によって家族の育児機能が低下することなどが問題であるとしている。しかしスウェーデンの16〜64歳の働ける全女性の75%以上が収入のある仕事に雇用されており、専業主婦は5%前後しか存在しない歴史上の存在と言われている。スウェーデンの国家統計庁によれば、出生率と女性就労率の関係を調査した結果、両者は相互に連動する関係であり、女性が仕事にさえ不自由しなければ子どもは減らないという結果がでていると発表している。それどころか、就労率の低い過疎地では出生率も都市部ほどは伸びないというデータもある。つまり、家計事情が出生率を左右するのである。事実、世界恐慌時代、混沌とした社会情勢のなか生活を守るため子どもを作らない家族が増え少子化現象が一時的に起きている。
?少子化の対策
スウェーデンは、第二次大戦では中立の立場を貫き参加せず、ここで蓄積された富によって大々的な福祉政策を発展させることとなった。そこで作られたのが少子化にならなかった理由として最も重要である「家族政策」である。家族政策とは家族生活の安定と福祉を目的とする家族に関する諸政策の総称であり、具体的には育児を家放任にするのではなく社会が援助するシステムなどがある。
2.高齢化
?高齢化の現状
ヨーロッパの中で最も3世代同居家族が最も少ないのがスウェーデンであるが、その家族形態は産業の発達などの理由により日本と同様核家族が都市部に集中しており、独居老人の割合は41%とかなり高い。
スウェーデンの家族政策
スウェーデン
面積・・・約45万k㎡(日本の1.2倍)
人口・・・894万人(日本の約13分の1)
65歳以上の人口・・・17.16%
主要言語・・・スウェーデン語
議会・・・1971年以降1院制
平均寿命・・・男子76.1歳
女子81.2歳(日本とほぼ同じ)
1.少子化
①少子化の原因
スウェーデンは他の国よりも早く高齢化が始まった国であるが、他の国と決定的に異なるのは少子化が起こっていないということである。日本では少子化の原因として、女性の高学歴化による晩婚化・未婚女性の増加・就労率の上昇によって家族の育児機能が低下することなどが問題であるとしている。しかしスウェーデンの16~64歳の働ける全女性の75%以上が収入のある仕事に雇用されており、専業主婦は5%前後しか存在しない歴史上の存在と言われている。スウェーデンの国家統計庁によれば、出生率と女性就労率の関係を調査した結果、両者は相互に連動する関係であり、女性が仕事にさえ不自由しなければ子どもは減らないという結果がでていると発表している。それどころか、就労率の低い過疎地では出生率も都市部ほどは伸びないというデ...