ものを判断したり態度を形成したり、あるいは行動を決定したりする場合、私たちは他者の言動からさまざまな形で影響を受ける。その結果、自分の行動を他者の言動に合わせる、または近づけることを同調という。これはあまりにも身近な現象であり、この同調行動を学問として純粋に測ることを最初に試みたのがアッシュであるが、アッシュの実験では答えが明らかな判断に対しての社会的影響を研究している(岡本,1995)。しかし日常生活においては、そのように単純な判断状況だけではなく、明瞭な答えのない複雑な判断状況も多く存在する。曖昧な課題に関する同調については、シェリフの自動運動に対する集団状況の効果の研究がある(堀・山本・吉田,1997)。本実験では、複数の個人が同一の対象について確信のもちにくい困難な判断を行おうとする時、他者の判断についての情報が提供されると、それが各人の判断にどのような影響を及ぼすかを検討する。
方法
1.被験者 心理学実験C(3限)の受講生
2.実験用具 B紙サイズの用紙に100〜200個のシールを貼り水玉模様を描いたもの。第1回・第2回の判断値の記入用紙、および内省報告の記入用紙を用意する。
3.実験手続 被験者を統制群と実験群?・?に分け、机上の筆記内容が相互に読み取れない程度に離して着席させる。?実験者は次のように教示する。「図にはたくさんの水玉模様が描いてありますので、いくつあるかを一目見て推定してください。提示時間は5秒間だけです。周りの人とは話をしないで、自分で判断値を決めて、直ぐに記入用紙に書いてください。」?図を約5秒間提示したのち、判断値を記入してもらった用紙を回収し、被験者には「しばらく、そのまま待つ」ように告げる。?各自の判断値を集計し平均値を求めたら、実験群の被験者にのみ口頭で一斉に平均値と、被験者名は伏せて最大値と最小値を伝える。
「同調行動」
ものを判断したり態度を形成したり、あるいは行動を決定したりする場合、私たちは他者の言動からさまざまな形で影響を受ける。その結果、自分の行動を他者の言動に合わせる、または近づけることを同調という。これはあまりにも身近な現象であり、この同調行動を学問として純粋に測ることを最初に試みたのがアッシュであるが、アッシュの実験では答えが明らかな判断に対しての社会的影響を研究している(岡本,1995)。しかし日常生活においては、そのように単純な判断状況だけではなく、明瞭な答えのない複雑な判断状況も多く存在する。曖昧な課題に関する同調については、シェリフの自動運動に対する集団状況の効果の研究がある(堀・山本・吉田,1997)。本実験では、複数の個人が同一の対象について確信のもちにくい困難な判断を行おうとする時、他者の判断についての情報が提供されると、それが各人の判断にどのような影響を及ぼすかを検討する。
方法
1.被験者 心理学実験C(3限)の受講生
2.実験用具 B紙サイズの用紙に100~200個のシールを貼り水玉模様を描いたもの。第1回・第2回の判断値の記入用紙、および内省報告...