1. 行政機関における4種の統制とそのマトリクス図
行政学において、政策過程における統制は2つの視点から分類することができる。一つは、行政機関の内外どちらに統制機関が存在するかによって分類する外在的・内在的という方法であり、もう一つはその統制が制度化されているかどうかで分類する制度的・非制度的という方法である。この2つの視点から行政統制のマトリクス図を作成すると、以下のようになる。
制度的統制 非制度的統制
外在的統制 議会による統制執政機関による統制裁判所による統制情報開示請求による統制(※行政法に関わるもの)川崎市のオンブズマン制度会計検査院による管理統制 諮問機関における要望・期待・批判聴聞手続における要望・期待・批判情報開示請求による統制(※行政計画に関わるもの)その他対象集団・利害関係人の事実上の 圧力・抵抗行動専門家集団の評価・批判職員組合との交渉マスメディアによる報道市民オンブズマン制度
内在的統制 人事院その他の官房系統組織による管理統制各省大臣による執行管理上司による職務命令 職員組合の要望・期待・批判同僚職員の評価・批判
以下、上記のマトリクス図の解説を進めながら、現在の行政機関における内部統制に焦点を当て、論じていく。
2.行政機関における統制の現状
まず、現在の行政機関における統制がどのようになっているかであるが、制度的・外部統制としては上記に挙げたように議会、執政機関、裁判所による統制の3つが基本となっている。これらは憲法構造として確率されており、不服従に対する制裁手段を整えている。
また制度化されている内部統制として、執政機関の上司による職務命令は指示・命令系統を一元化したヒエラルヒー構造となっており、さらに官房系統組織による統制で補完されている。これらもまた公務員法や各種組織法令に定められ、懲戒処分の制裁手段が存在する。
行政機関における内部統制
行政機関における4種の統制とそのマトリクス図
行政学において、政策過程における統制は2つの視点から分類することができる。一つは、行政機関の内外どちらに統制機関が存在するかによって分類する外在的・内在的という方法であり、もう一つはその統制が制度化されているかどうかで分類する制度的・非制度的という方法である。この2つの視点から行政統制のマトリクス図を作成すると、以下のようになる。
制度的統制 非制度的統制 外在的統制 議会による統制
執政機関による統制
裁判所による統制
情報開示請求による統制
(※行政法に関わるもの)
川崎市のオンブズマン制度
会計検査院による管理統制 諮問機関における要望・期待・批判
聴聞手続における要望・期待・批判
情報開示請求による統制
(※行政計画に関わるもの)
その他対象集団・利害関係人の事実上の
圧力・抵抗行動
専門家集団の評価・批判
職員組合との交渉
マスメディアによる報道
市民オンブズマン制度 内在的統制 人事院その他の官房系統組織による管理統制
各省大臣による執行管理
上司による職務命令 職員組合の要望・...