信用割当と拘束性預金

閲覧数7,385
ダウンロード数16
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1. 信用割当
     信用割当とは銀行貸出市場で貸出金利が借り手と貸し手の資金需要を完全に調整する事無く、超過需要が残ったままで貸し手(銀行など)が借りて(企業など)に資金を割り当てる状態をさす。完全競争下においては貸し手・借り手ともに利潤極大化を追求する合理的行動をとる限り、市場均衡貸出金利下で均衡が成立するが、この市場均衡貸出金利の実現を阻止する制度的要因が存在すると信用割当が発生する。日本では貸出金利上限規制によって、信用割当すなわち企業選別が行われてきた。不況や政企業選別を貸し手、すなわち銀行が行う理由は、主に銀行が貸し出しを行う際にその貸し手の選別に「情報の非対称性」が存在するためである。金融市場分析に情報の非対称性の問題を持ち込んだのは、2001年のノーベル経済学賞受賞者Stiglitz & Weiss (S-Wと略記)である。彼は1981年、Weissとの有名な共同論文において、情報の非対称性にともなう逆選択及び信用割当の問題を指摘し、金利が適切な資源配分機能を果たさなくなることを強調した。金融機関がリスクの異なる借り手を識別できない場合、金利を高くすると、ハイリスクの借り手のみが応募してくることとなることから(逆選択)、借り手全体の平均的コストは上昇し、貸し手の期待利潤は低下する。こうした状況下では、市場に満たされない需要があったとしても貸し手は金利を引き上げない。すなわち供給曲線が右下がりとなり、場合によっては需要曲線と交点を持たなくなる可能性を指摘した。この場合、資金の需給が均衡せず、借り手が必要と思う資金を調達できない状態が生じ、信用割当が発生することとなる(図1)。
    (図1)情報の非対称性と資金市場
     しかしながら、こうした情報が不完全な世界であっても、借り手が十分な自己資本を保有していれば、金融機関は貸倒れが生じても資金回収不能となることはない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    金融論
    ~信用割当と拘束性預金~
     
    1.信用割当
    2.拘束性預金
    信用割当
    信用割当とは銀行貸出市場で貸出金利が借り手と貸し手の資金需要を完全に調整する事無く、超過需要が残ったままで貸し手(銀行など)が借りて(企業など)に資金を割り当てる状態をさす。完全競争下においては貸し手・借り手ともに利潤極大化を追求する合理的行動をとる限り、市場均衡貸出金利下で均衡が成立するが、この市場均衡貸出金利の実現を阻止する制度的要因が存在すると信用割当が発生する。日本では貸出金利上限規制によって、信用割当すなわち企業選別が行われてきた。不況や政企業選別を貸し手、すなわち銀行が行う理由は、主に銀行が貸し出しを行う際にその貸し手の選別に「情報の非対称性」が存在するためである。金融市場分析に情報の非対称性の問題を持ち込んだのは、2001年のノーベル経済学賞受賞者Stiglitz & Weiss (S-Wと略記)である。彼は1981年、Weissとの有名な共同論文において、情報の非対称性にともなう逆選択及び信用割当の問題を指摘し、金利が適切な資源配分機能を果たさなくなることを強調した。金融機関がリスクの異なる借...

    コメント2件

    asami1105 購入
    よかった
    2006/07/12 6:56 (18年4ヶ月前)

    motoaki 購入
    ありがとうぎざいます。
    2006/07/13 14:13 (18年4ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。