ワークスAPにみる効果的ファインディング・ハンズオン

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    資料紹介

     投資後に行うハンズオンのアプローチとしては、マネジメント体制の確立、ビジネス・収益基盤の確立、株式公開・売却の三つがあげられる。
     マネジメント体制については、CEOの選定が重要になる。誰を中心に経営チームをつくるかが重要になるというのだ。実際、ワークスAPも現在のCEOはGCPの投資時点では社長ではなかった。確かに同社のCEOは経営ビジョンにおいても、そのカリスマ性においても、当初の社長であった現CTO(最高技術責任者)よりも勝っていると思われる。また、社外取締役の派遣も重要である。
     ここでの問題点は、VCのハンズオンによる役員派遣や経営への関与を敬遠するベンチャー経営者も存在することである。VCはベンチャー企業への投資の対価としてその企業の株式を得るので、所有する株式価値を上場後に最大化するインセンティブが働く。一方ベンチャー経営者にとっては自社の企業価値の最大化が最終目標となるので、VCと投資先企業との利害は一致している。このことをVCが積極的にベンチャー企業に働きかけ、ハンズオフよりもハンズオンを目指すべきである。
     VCの投資先に対する、株式保有率も重要である。例えば、50%以上の株式を一つのVCが保有すると、経営上で互いに健全な議論ができなくなるだろう。ワークスAPでは現在、発行済み株式の約18%を経営陣が保有しているが、GCPはすでにほとんどの同社株を売却している。ハンズオンの時期においては経営陣が30%程度、VCが20%前後の株式を取得するのが健全だろう。ステークホルダーのパワーバランスを保つこともVCの重要な役割と言える。

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    テーマ ワークスAPにみる効果的ファインディング・ハンズオン
    1.はじめに
    昨夏、求職活動の一環として ERP パッケージ開発ベンチャー・ワークスアプリケーションズ(ワ
    ークス AP,ジャスダック上場)のインターンシップに 1 ヶ月間という長期にわたり参加した。1996
    年に創業して以来急成長を続け、本年 1 月 5 日付日本経済新聞の「2006 年に期待される新興企業」
    にも選ばれたワークス AP であるが、2001 年のジャスダック上場まで 、グロービス・キャピタル・
    パートナーズ(GCP)の投資を受けていた。
    言うまでもなく GCP は資金提供のみならず人材や経営ノウハウなどを支援するハンズオン型の
    VC である。投資先の数を厳選して経営サポートを強化することで投資リスクを下げ、平均よりも
    高いリターンを求めるビジネスモデルを採用している。ワークス AP の場合、10 倍以上の投資リ
    ターンを得ているという。これは通常 2~3 倍と言われる投資リターンに比べると格段に高い。
    実際にワークス AP のインターンシッププログラムに参加し、牧野 CEO など経営トップのビジ
    ョ...

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