今現在、自分の妻を指す言葉として使われている「女房」。私たちが学習してきた、平安文学の中では、妻という意味ではない。では、いつごろ意味が変化し、どういう意味であるのだろうか。
「女房」という語を、『日本国語大辞典』でひいていみると、4つの意義に別れている。?女官のへや。女官の曹司。また、朝廷に仕える女官で、一人住みの房(へや)を与えられている者をいう。身分や出身により上 (じょうろう)、中 、下 に分けられて、宮中の雑事をつかさどる。また、院、諸宮、公家、武家などに仕える女、さらには、一般に侍女をもいう。
?中世、近世、一般に、婦人、または愛情の対象としての女性をいう。女。
?中世以降、妻をいう。妻女。近世には、自分の妻をいうとき「女房ども」ともいう。現代では、多少とも卑しめた気持ちをもっていい、自分の妻のことを言う場合に多く用いられる。
?宮廷または摂関家の歌合(うたあわせ)などで、天皇や上皇、摂政関白などが、身分を隠すために歌に作者名として記す語。判者が気がねなく勝負の判をすることができるように、女房の作とする。
『女房』について
今現在、自分の妻を指す言葉として使われている「女房」。私たちが学習してきた、平安文学の中では、妻という意味ではない。では、いつごろ意味が変化し、どういう意味であるのだろうか。
「女房」という語を、『日本国語大辞典』でひいていみると、4つの意義に別れている。①女官のへや。女官の曹司。また、朝廷に仕える女官で、一人住みの房(へや)を与えられている者をいう。身分や出身により上 (じょうろう)、中 、下 に分けられて、宮中の雑事をつかさどる。また、院、諸宮、公家、武家などに仕える女、さらには、一般に侍女をもいう。
②中世、近世、一般に、婦人、または愛情の対象としての女性をいう。女。
③中世以降、妻をいう。妻女。近世には、自分の妻をいうとき「女房ども」ともいう。現代では、多少とも卑しめた気持ちをもっていい、自分の妻のことを言う場合に多く用いられる。
④宮廷または摂関家の歌合(うたあわせ)などで、天皇や上皇、摂政関白などが、身分を隠すために歌に作者名として記す語。判者が気がねなく勝負の判をすることができるように、女房の作とする。
これらのそれぞれの用例は、①は、小右記(98...