日本の労働時間の変化について記述する。
1労働時間の短縮
昭和61年4月に中曽根総理に提出された「国際協調のための経済構造調整研究会」の報告書の中で、内需拡大策の一環として「欧米先進国並みの年間結労働時間の実現と週休2日制の早期完全実施]が提言されたことにより、国政の重要課題として労働時間の短縮が俎上に上った。翌昭和62年5月、経済審議会は「構造調整の指針」を建議し、「2000年に向けてできるだけ早期に、現在のアメリカ、イギリスの水準を下回る1,800時間程度を目指すことが必要である]と具体的な数値目標を示した。
累次の労働基準法の改正、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の制定等により、
労働時間の短縮が進められ、平成9年度から法定労働時間は中小企業を含め完全に週40
時間制となった。この間、昭和61年に2102時間であった一人当たり年間総実労働時間は、
平成4年に初めて2,000時間を下回り、平成17年ににに,829時間となっている。ただし、近年の年間総実労働時間の短縮は、勤務時間の短いパートタイム労働者の増加によるものであるとされる。一般労働者の労働時間は依然として長く、平...