商業政策分冊1

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    マーケティング論はミクロの観点に立つ事業戦略の概念である。ミクロ・マーケティング論では、政策論の領域、即ち事業組織あるいは個人を取り巻く外部環境の変化を管理不能変数と捉え、その変化に対応する戦略を確立する。この戦略を立案し、実行することをマネジメントという。米国のマーケティング学者マッカーシーはマネジリアル(事業経営的)マーケティングと言い表している。これを言換えたミクロマーケティングは、政策というマクロ・マーケティングに対応する、事業経営というミクロの側面に対応するマーケティングという意味である。事業組織や個人が競争に生き残るためにマーケティング論を活用する、「戦略マーケティング戦略」という概念で表される。
     管理不能変数は外部環境変化だけでなく、その企業の経営資源(ヒト、モノ、カネ)も含まれる。現実には技術革新も重要な管理不能変数となっている。
     管理可能変数は、事業組織や個人が自分自身でコントロールできる変数を言う。マーケティング論では4P戦略という概念で言い表される。即ち、製品(product)、場所・流通(place)、促進(promotion)、価格(price)、これらを...

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