「図書館をめぐる課題 ―ビジネス支援について― 」
ビジネス支援図書館の始まり
図書館の新しい潮流として、ビジネス支援図書館が登場している。図書館でのビジネス支援という概念が生まれ、本格的にビジネス支援図書館の普及活動が始まったのは、2001年のことだ。この背景として、2001年に文部科学大臣告示された『公共図書館の設置及び運営上の望ましい基準』の中で、第2章 市町村立図書館 (4)「利用者に応じたサービス」の項目の最初に、①「成人に対するサービスの充実に資するため、科学技術の進展や産業構造・労働市場の変化等に的確に対応し、就職、転職、職業能力開発、日常の仕事等のための資料及び情報の収集・提供に努めるものとする。」が挙げられたことは非常に重要であろう。
ビジネス支援図書館協議会の設立
21世紀の日本経済を支えるのは、ベンチャーによる新産業創出であるという考えを基本に、創業及びベンチャーを支援する政策に力が注がれている。日本の開廃業率は、中小企業白書によると、景気の低迷を反映して平成8年~11年には、開業率3.5%、廃業率5.6%という大きな逆転状況になっている。また、大企業を中心にリス...