道徳教育の研究 A判定レポート
『道徳教育の意義について述べよ。』
まず,道徳教育とは,日高六郎によると,「一定の社会において,それぞれの支配的価値観にもとづいて,意識の形態を形成し,行動の様式や性格を育てることをめざして行われるものである。とくに近代においては,それを意図して学校を中心に,子どもの行動の発達や性格の形成を主として目ざすためにおこなわれる側面をさしていっている」と述べている。
では道徳教育はどのような場で為されるべきなのか。平塚益得によると,学校の場だけではなく,家庭,社会の場で総合的に行うのが良いとされ,道徳教育は単に学校教育の中だけではなく,家庭教育,社会教育の中でも積極的に行わなければならないとしている。この考え方は,日本の道徳教育は明治以来国家主導の修身教育により,国家の価値観を子どもたちに注入してきた点への反省でもあろう。「従来の道徳ならびに道徳教育のあり方に対し厳正な反省,批判がくだされ,同時に民主的道徳理念が究明さるべきである」との見解が一般的である。
このような精神は教育基本法第1条(目的),第2条(教育の方針)の中にも受け継がれており,この二つの精神こそが道徳教育の本質なのである。
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