読書ノート15

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    嫉妬学 2009年04月21日 和田 秀樹 アメリカの心理学者ハインツ・コフートは、自己愛が傷つくことで生じる怒りを自己愛憤怒と名づけた。コフートによれば、人間は自己愛が傷ついているときには、その自己愛を修復しようとこの自己愛憤怒に陥り、攻撃的な感情が高まる。そんなときに副次的に生じるのがエンビー型嫉妬。というのも自己愛が傷つけられたとき、人は自分より勝っている人間が失敗して勝者の座から滑り落ちることに快感を覚えるから。 日本の国民性がエンビー型嫉妬に親和性があることをメディアはよく知っている。ゆえにいっそうテレビのワイドショーなどはエンビー型に作られる。その傾向は近年より露骨に。競争社会では足の引っ張り合いは嫌われるが、エンビーというのは自己愛の傷ついた人間からみると非常に自然な心理なので、みんながわりと簡単に持つことに。いったんみんなが持ったエンビーはあっという間に大衆の間で共感されてしまい、恐ろしい負のパワーとなる。 エンビーはより未熟な人間が抱きやすいように見えますが、必ずしもそうとは言い切れない。嫉妬がジェラシーに傾くのかエンビーに傾くのかはむしろ自己愛の問題に還元できる部分...

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