政治学 超国家主義の論理と心理

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    政治学
    「超国家主義の論理と心理」論評

    まず、丸山真男は戦前の日本の官庁機構・官僚制をどのようにみているのだろうか。丸山はこの論文においてその特質を「セクショナリズム」という言葉でくくり、また「独善意識」の形成についてもふれている。この論文では主としてこの特質を日本の軍部を第一の例にして分析しているが、

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    政治学
    「超国家主義の論理と心理」論評

    まず、丸山真男は戦前の日本の官庁機構・官僚制をどのようにみているのだろうか。丸山はこの論文においてその特質を「セクショナリズム」という言葉でくくり、また「独善意識」の形成についてもふれている。この論文では主としてこの特質を日本の軍部を第一の例にして分析しているが、これが軍隊ひとつにとどまったものではないところがむしろ丸山の主張したかったことではないだろうか。それは次のようなフレーズからよみとれる。
    「職務に対する矜持が、横の(傍点)社会的分業意識よりも、むしろ縦の
    (傍点)究極価値への直属性の意識に基いているということから生ずる諸々の病理的現象」
    また、この論文のなかの別のところでは、「国家的社会的地位の価値基準はその社会的職能よりも、天皇への距離(傍点)にある」とある。戦前と戦後では、この点においての違いはあるものの、先のようなタテ意識にもとづいたセクショナリズムは戦後においても連続したものとして理解できる。これがまずは丸山の日本の官庁機構・官僚制への考えではないだろうか。
     一方で、丸山はセクショナリズムについて、その「封建的割拠性」への...

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