「結婚と家族」を読んで ~夫婦別姓を考える~
現代社会において、結婚や家族の形態、あり方が大きく変わりつつある。それにともない、結婚する際に生じてくる問題も昔のものとは明らかに異質のものである。そのひとつに今、法律改正が求められている夫婦別姓という問題があげられる。講義では国立大学の教授が今までの研究実績を維持するためと、夫婦同姓を強制する民法の規定に疑問を持っていたことから戸籍名の使用を強要する大学を相手
「結婚と家族」を読んで ~夫婦別姓を考える~
現代社会において、結婚や家族の形態、あり方が大きく変わりつつある。それにともない、結婚する際に生じてくる問題も昔のものとは明らかに異質のものである。そのひとつに今、法律改正が求められている夫婦別姓という問題があげられる。講義では国立大学の教授が今までの研究実績を維持するためと、夫婦同姓を強制する民法の規定に疑問を持っていたことから戸籍名の使用を強要する大学を相手に裁判を起こしたという事件をみた。その延長として自分なりに夫婦別姓の問題について詳しく触れ、現代社会において夫婦や家族にとって大切なものは何かということについて検討していきたい。
はじめに夫婦別姓が求められる背景についてだが、ここ数年になって、夫婦別姓について頻繁に論じられるようになり、夫婦同姓を強制する法律の改正が求められているように思われる。その夫婦別姓選択性を求める動きの背景には、日本における平均寿命の伸び、晩婚化、出産率の低下などによって女性の持つ生涯の自由時間が大幅に増加したことがある。そのような要因によって、女性の職場進出は著しく、女性の社会的経済的自立は目覚...