性格分析
問題
人は、青年期になると、「私は、どのようにして生きていくのか」「私は、どんな人間として、これからの一生を生きていくのか」などと考えることがある。この答えに当るもの、すなわち、「私とは誰か」という内容をその人のidentityという。このidentityという言葉は、もともと、1950年代に小児精神医学者であるErikson(1902~1994)が、人間の一生の自我の発達を理論化したときに、青年が大人としての「自分らしさ」をみつけるという過程を説明するために用いた言葉である。Eriksonは、一生の自我発達を理論化した彼の漸成発達理論の中で、青年期にidentityを統合することが、一生の中で最も重要な発達の主題であると述べた。
では、identityをあらわすにはどのような方法があるのだろうか。
日本で開発・翻案され標準化されたパーソナリティBig-Five モデルの心理検査は少なくとも3つある。1つは内山ら(2001)がEQS の構成概念妥当性を検証するために用いた村上・村上(1999)の主要5因子性格検査(BFPI)である。この検査では5因子として外向性、協調性、勤勉...