◇都市環境から環境問題を考える◇
1.序論
「都市における環境問題」というと、どのようなものを想像するだろうか。大気汚染や、都市から排出されるゴミやそのリサイクルの問題、あるいは身近な緑や住宅環境の問題だろうか。
一口に都市環境問題といっても、実に多様な内容を持つことが察せられる。都市によって直面する環境問題が異なる理由は、都市の経済的な発展段階や、自然環境の基盤に応じて、環境問題を引き起こす要因や、その影響の度合いが異なるためである。したがって、都市における環境問題に対して、的確に対応していくためには、その都市の環境の状況と、環境問題の発生とかかわる様々な要因についての正確な把握が求められる。そのためには、国際的に比較可能な「環境指標」を用いてと都市のおかれた状況や環境の状況を客観的に把握することが一つの有効な手段である。そこでここでは、「環境指標」を用いて、世界の都市における環境の状態を特に大気汚染の面から明らかにし、さらにその規定要因について考察する。
2.本論
1)都市大気汚染の種類
大気汚染物質は二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素のように発生源から直接発生...