「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ。」
①学歴社会とは
[学歴社会]とは、大辞林では「人の社会的地位や評価などが、学歴によって決められたり、判断されたりする学歴偏重の社会。」広辞苑では「人間の社会的地位や収入、さらには人物の評価までが学歴によって決められる社会」と説明されている。
つまり、学歴社会において学歴は「配分の基準」として考えられるのであり、論理的には「低学歴社会だが学歴社会」という社会もありうるし、「高学歴社会だが非学歴社会」という社会もありうる。ちなみに、高学歴社会とは、単に「高学歴者の多い社会」を意味する言葉であり、大辞林にも広辞苑にも記述はなかった。とにかく、「学歴社会」と「高学歴社会」とでは、その意味するところがまったく異なるのである。
②学歴社会と教育
重要なことは、学歴社会が、ただ単に教育を重視する社会ではない、ということである。現在、先進国、発点途上国を問わず、教育の充実は各国家、社会の最重要課題の一つにあげられている。教育を重視する社会が「学歴社会」であるのなら、「学歴社会」でない社会...