誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)
誤嚥性肺炎は、食物、液体、胃または咽頭内容物を誤嚥し、気道系及び肺胞系の防御機構により、これらを
排除できないときに発症する肺炎である。
痙攣発作・薬物・飲酒・麻酔・急性感染症・ショックなどにより意識状態の悪化した患者が誤嚥した際に起こる。
食道狭窄・気管瘻の解剖学的異常や、経鼻胃チューブ・気管切開等の処置によってもおこる。
1.分類
嚥下性肺疾患は誤嚥物の性状・量・分布などにより以下のように分類される。
①嚥下性肺炎(通常型)
②人工呼吸器関連肺炎
③メンデルソン症候群
④びまん性嚥下性細気管支炎
2.病態
生体には誤嚥を防ぐ機構が備わっており、そのメカニカルな反応として咳嗽、嚥下反射がある。これらの反射の低下による防御機構の破たんにより誤嚥は生じる。
正常の嚥下に置いては嚥下物が咽頭から食道入口部へ移動するときに喉頭蓋が閉じる。嚥下中枢と呼吸中枢は延髄レベルで関連しあって誤嚥を防いでおり、ここに大脳基底核からの入力も加わっている。脳血管障害で生じる誤嚥は、こうした中枢神経系による防御機構が障害されて発生していると考えられる。
気道防御機構である咳嗽、嚥下反...