刑法 放火罪「公共の危険」の認識の成否

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    刑法論文答案練習 社会的法益
    ~具体的公共危険犯・「公共の危険」の認識の要否~
    【問題】
     Xは、老朽化した自己所有の物置小屋を焼却処分しようと決意し、風向きによっては近隣の住民が延焼をおそれて騒ぎ出すかもしれないが、風もなく、また、近隣の民家まで50メートル以上離れていることからも、延焼のおそれはないと確信し、火を付けたところ、物置小屋に置いてあった石油ストーブが爆発・炎上し、物置小屋を全焼させるとともに、急に吹き出した突風にあおられて、火の粉が近隣の民家に降りかかった。
    【問題点】
    ・・・刑法109条2項の放火罪が成立するために「公共の危険」が要求されるところ、この「公共の危険」の認識が必要であるかが問題となる。
    【見解】
    1 「公共の危険」の内容
    ・・・最決平成15・4・14によると、不特定または多数の人の生命、身体または建造物以外の財産に対する危険も含まれるとしている。
    ※ 公共の危険が発生したかの判断基準
     通説は具体的状況下における一般人の判断を基準とするのに対し、判断が抽象化するという批判から、例えば、火力の大小・可燃物との距離など、物理的・客観的見地から判断するという見...

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