民事執行法・民事保全法
課題文 : 強制執行に債務名義の存在が必要とされるのはなぜか。また、民執法 22 条が定
める各号の債務名義の種類や取得方法などについて説明しなさい。
1.債務名義とは、一定の私法上の請求権の存在と範囲を表示した公の文書で、法律がこれ
に執行力を認めたものをいいます。民執法 22 条は、強制執行は債務名義により行われると
規定し、各号において債務名義の種類を規定しています。
2.では、債務名義は何のために必要なのでしょうか。一言でいうと、民事執行手続において、
迅速性と適正性を確保することに、債務名義の必要性があるといえます。
強制執行を行うためには、請求権の内容が確定している必要があります。そこで、この作
業を執行機関が行うのも 1 つの方法ではあります。ですが、そのためには、執行手続にその
枠組みが必要となります。また、請求権存否の確認は、慎重な手続によらなければなりませ
ん。そうすると、その手続は、多大なコストと膨大な時間を要する、複雑かつ煩雑なものにな
ってしまいます。
このような方式を採用することは、当事者双方に様々な負担を強いることになります。特に...