従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対し
て主体的な学習を基本とする授業について設計と評
価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授
業設計ならびに評価についての留意点を述べよ。
教育には、大きく二つの側面がある。ひとつは、人類が長い歴史の中で継承してきた知識や教養を「伝達する」ことを目的とするもの。もうひとつは、学習者それぞれに内在する多様な能力を引き伸ばす「人間としての全体的な形成」を目的とするものである。誰もが簡単に様々な情報や知識を手に入れることができるようになった今日の社会においても、この両者は欠かせない側面であり、授業設計においても考慮されるべき要素である。
新教育課程では、育てられるべき四つの学力が示されている。①基礎的な学力A、②基礎的な学力B、③発展的な学力、④実践的な学力、である。①は、「読み・書き・計算」といった学力であって各教科の基礎となるものである。この学力は学校教育ばかりでなく、将来の社会生活の基礎となるものである。②は、学習指導要領で明示されている目標と内容に基づく教科等の学力である。今回の改訂で授業時数が三割削減されたため、この学力はあくま...