93回問128
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
メチルフェニデートは、アンフェタミン様の中枢興奮作用をもち、ナルコレプシーに用いられる。
ベタヒスチンは、アドレナリンβ受容体を遮断して内耳の微小循環を改善し、メニエール病に伴うめまいを抑制する。
ファスジルは、ミオシン軽鎖のリン酸化を阻害し、くも膜下出血による脳血管れん縮を抑制する。
アマンタジンは、中枢神経機能を活性化する作用をもち、脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下を改善する。
ドネペジルは、中枢神経系のアセチルコリン合成を選択的に促進し、軽度及び中等度のアルツハイマー病における認知障害の進行を抑制する。
1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,c,d)
4(b,d,e) 5(c,d,e)
解答 3
○
× ベタヒスチンは、内耳循環障害の改善、脳内血流量の改善作用を有し、メニエール病に伴うめまいを抑制する。 なお、ベタヒスチンには、アドレナリンβ受容体が遮断作用は認められない。
○ ファスジルは、ミオシン軽鎖のリン酸化を阻害し、くも膜下出血による脳血管れん縮を抑制する。この作用はタンパクリン酸化酵素であるRhoキナーゼの阻害作用によるものであると考えられている。 なお、Rhoキナーゼは、血管の収縮、炎症性細胞の活性化、血管内皮細胞の損傷等、くも膜下出血に伴う脳血管攣縮および脳虚血障害の発生の原因となっている生体内での諸反応に関与している。
○
× ドネペジル塩酸塩は、脳内のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンの分解を抑制することで、アセチルコリン濃度を上昇させ、アルツハイマーにおける認知障害の進行を抑制する。