92回問16
沸点及び融点に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
CH3CH2OHが異性体のCH3OCH3よりも沸点が高いのは、分子間水素結合に起因する。
CH3(CH2)3CH3が異性体の(CH3)4Cよりも沸点が高いのは、ファンデルワールス力に起因する。
硫黄(イオウ)原子は酸素原子より電気陰性度が大きいため、H2SはH2Oより沸点が高い。
o-ニトロフェノールは分子内水素結合を形成し、p-ニトロフェノールは分子間水素結合による会合体を形成するため、o-ニトロフェノールの方が融点は高い。
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d) 6(c,d)
解答 1
○ CH3CH2OHは構造中にOH(水酸基)を有し、分子間水素結合を形成することができるため、異性体のCH3OCH3(構造中にOH(水酸基)を持たないため、水素結合できない。)よりも沸点が高い。
○ ファンデルワールス力とは、分子間、粒子間に働く凝集力であり、分子量に比例して大きくなる。また、同じ分子量の場合には、直鎖状の構造の方が分枝状の構造より大きくなる。CH3(CH2)3CH3(ペンタン)とペンタンの異性体である(CH3)4C(2、2‐ジメチルプロパン)は、分子量が同一であるが、直鎖状の構造であるペンタンの方が、分枝状の構造である2、2‐ジメチルプロパンよりファンデルワールス力が大きいため、ペンタンの方が沸点は高い。
× 酸素原子は硫黄(イオウ)原子より電気陰性度が大きく、酸素原子に結合している水素原子が強い正電荷を帯び、分子間で水素結合を生じるため、H2OはH2Sより沸点が高い。
× o-ニトロフェノールは分子内水素結合を形成するため、分子間水素結合を形成しにくい。一方、p-ニトロフェノールは分子間水素結合による会合体を形成する。したがって、分子間水素結合を形成するp-ニトロフェノールの方が、分子間水素結合を形成しにくいo-ニトロフェノールに比べ融点は高い。
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