カントの先天的総合判断

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    ※課題6 「すべての物体は重い」と「5プラス7は12である」をカントはどのように区別するか。「先天的総合判断」を中心に具体的に説明せよ。
    カント以前の哲学においては、形而上学的・心理学的な前提を無批判的に内在していたが、それは単なる独断論に過ぎないとしてカントは一蹴する。デカルトを代表とする合理論においては演繹法が、ロックを代表とする経験論においては帰納法がとられていたが、それらの批判と統合の後、カントは新たに超越論的方法論を提唱する。それなので、カントにおいては「認識は可能か不可能か」という問題ではなく、「何によって、如何にして、如何なる権利によって認識が可能か」という先天的な条件を探求しようとする態度が見られ、そのことによって先天的認識の可能性および根拠について探求しているのである。
     ところで、知識は判断を通じて得られるが、カントによれば判断は三種類存在するという。一つは「すべての物体は重い」といったような総合的判断である。主語に含まれていない概念が述語によって説明されており、概念の幅を拡張させている。しかし、これによって知識は広がっていくものの、それは経験的であるために確実性は...

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