※課題6 生命の誕生をめぐる法律上の問題点について述べなさい。
まず最初に、近年、医学技術の発達により、人間の生殖を補助するさまざまな技術が生まれた。また、それに伴い従来の法律が想定していなかったようなケースが発生することとなり、生命の誕生をめぐる法律関係においてさまざまな問題点が発生するに至ったと言える。その最も代表的なものが、人工授精や体外受精である。これらの行為は実際に数多く行われており、日本だけでも数万~数十万規模の実績があるものであるが、多くの問題点が指摘されている。具体的には、①生命の根源となる胚を実験に用いることや、売買の対象にすることに対する非論理性②夫婦以外の精子・卵子で行われた場合、父母は誰となるか③提供者が匿名の場合に、子供に遺伝子学上の親を知る権利を保障すべきか、④独身者など、夫婦以外にもこうした手法の使用を認めるか⑤精子・卵子などの凍結保存を認められるか⑥多胎児を中絶することは許されるかといった問題が挙げられる。
人工授精や体外受精の中でも、特に問題となっているが、代理懐胎と卵子提供である。代理懐胎には、妻以外の女性の卵子と子宮を使用するサロゲイドマザー...