監査役監査基準

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    監査役監査基準
    第1条(目的)
      本基準は監査役の職務を執行するための行動基準を定めるものである。監査役はその職務の重要性に鑑み、本基準に即して行動するものとする。
    第2条(基本理念)
      監査役は独立した監査機関として会社の健全な経営に資し、社会的信頼の向上に努めるとともに、コーポレート・ガバナンスに配慮し、的確にその職務を遂行しなければならない。
    第3条(監査役の兼任禁止)
    1. 監査役は会社又は子会社の取締役又は使用人を兼ねてはならない。
    2. 監査役が前項以外の会社又は法人の取締役もしくは監査役その他これに準ずる使用人を兼ねる場合には、監査役会並びに取締役会の了承を得るものとする。
    第4条(監査役の心構え)
      監査役はその職務を行うに当り、次の事項に留意しなければならない。
      (1) 経営全般の見地から経営課題についての認識を深め、経営状況の推移と
    企業をめぐる環境の変化を把握するよう努めること。
      (2) 会社経営に関する内部統制の状況及びその有効性に留意すること。
      (3) 業務の実態を正確に把握するため、情報の収集に努めること。
      (4) 事実の確認及び合理的判断をもとに、公正不偏の立場から監査意見を形
    成すること。
      (5) 企業の秘密保持に十分注意すること。
    第5条(取締役に対する提言・助言・勧告等)
    1. 監査役は会社の健全な経営に資するため、下記に該当する場合には、取締役に対
    して提言、助言、勧告をするものとする。
    (1) 監査に際して会社経営に関する内部統制について意見をもつにいたった
    とき。
    (2) 会社に著しい損害又は重大な事故等を招くおそれがある事実を認めたと
    き。
    (3) 会社の業務に違法な事実、著しく不当な事実又は公序良俗に反する事実
    を認めたとき。
    前項に関し、必要に応じて監査役は取締役会の招集又は取締役の当該行為の差し
    止めを求めるものとする。
    第6条(監査役会)
      監査役会の組織及び運営に関しては、別に定める監査役会規程による。
    第7条(常勤の監査役)
      常勤の監査役は監査役全員の互選をもって定めるものとする。
    第8条(監査役の報酬)
      監査役の報酬に関しては監査役全員の協議によるものとする。
    第9条(情報の共有)
      監査役は相互に十分な情報交換、意見交換を行い、連絡を密にして重要な情報の
    共有に努めるものとする。
    第10条(会計監査人との連携)
    1. 監査役は会計監査人と緊密な連携を保ち、情報交換、意見交換を行い効率的な監
    査を実施するよう努めるものとする。
    会計監査人から取締役の職務遂行に関して、不正の行為又は法令、定款に違反す
    る重大な事実がある旨の報告を受けた場合には協議の上、監査役は必要な調査を行い、助言又は勧告等の必要な措置を講ずるものとする。
    第11条(内部監査部門との連携)
    1. 監査役は、内部監査部門と緊密な連携を保ち、内部監査の結果を活用するよう努める。
    2. 監査役は、必要に応じて内部監査部門からの報告を求め、また特定事項の調査を依頼するものとする。
    第12条(監査計画及び業務の分担)
    1. 監査役は、協力して重要性、適時性その他必要な要素を考慮して監査方針をたて、適切に調査対象及び方法を選定し、監査役会において監査計画を作成するものとする。
    2. 監査役は、組織的かつ効率的に監査を実施するため、監査役会において監査業務の分担を定めるものとする。
    第13条(監査項目)
      監査役監査は下記の項目について行う。
      (1) 取締役会その他重要会議の審議事項の聴取及び議案書、議事録の閲覧
      (2) 諸規程、内規及び重要な通達等の閲覧
      (3) 重要な報告書、稟議書、契約書等の閲覧
      (4) 会計及び会計以外の帳票類の閲覧
      (5) 財産及び取引の調査
      (6) 取締役と会社との間の利益相反取引の調査
      (7) 取締役の競業取引の調査
      (8) 無償の利益供与の調査
      (9) 子会社又は株主との通例的でない取引の調査
      (10)決算後に生じた会社状況に影響する事実の調査
      (11)予算の適正性の調査
      (12)決算の手続き、計算書類等の調査
      (13)会計方針、会計処理方法等の調査
      (14)株主総会議案及び書類等の調査
      (15)会計監査人、内部監査部門等からの監査状況の聴取
      (16)本社、営業店等事業所の調査
      (17)子会社の業務及び財産の調査
      (18)文書、諸規程その他の重要な情報の管理状況の調査
      (19)組織、規程、手続等の諸制度及びその運用状況の調査
      (20)その他会社業務執行に関する重要な事項の調査
    第14条(取締役会への出席)
    1. 監査役は取締役会に出席し、必要に応じて報告を行い、又は監査役の立場から意見を述べるものとする。
    2. 監査役は取締役会の運営等が、法令、定款、規程に即して的確に行われているかを確認するものとする。
    3. 監査役は取締役会議事録の記載内容を確かめ記名押印し、その後の取扱状況を確認するものとする。
    第15条(重要な会議等への出席)
    1. 監査役は取締役会のほか、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、取締役と協議の上、重要な会議に出席するものとする。
    2. 前項の会議に出席しない場合には、監査役は審議事項についての説明を受け、関係資料を閲覧するものとする。
    第16条(文書の閲覧)
      監査役は、稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役又は使用人に対してその説明を求めるものとする。
    第17条(監査報告)
    1. 監査役会は、監査計画にもとづく監査役の日常監査を踏まえ、会計監査人からの報告を聴取し、検討協議を経て、正確かつ明瞭に監査報告書を作成しなければならない。異なる意見がある場合には、その監査役の意見を記載しなければならない。
    2. 前項の監査報告書には作成年月日及び常勤の監査役にあってはその旨を付し、著名押印しなければならない。
    3. 監査役は日常の業務監査において、取締役等の業務執行に対して提言、勧告等の必要を認めた場合には、業務監査に関する報告書を作成し、代表取締役社長へ提出するものとする。
    第18条(株主総会)
    1. 監査役は、株主総会に出席して、口頭で監査結果を報告しなければならない。
    2. 監査役は株主総会において株主が質問した事項については、議長の議事運営に従い説明しなければならない。
    3. 監査役は、株主総会議事録に議事の要領及びその結果が正確に記録されているかを確かめなければならない。
    第19条(改定)
      この基準の改定は、監査役会の決議による。なお、改定後、取締役会へ報告する。
    (附則)
      平成○○年○○月○○日 施行

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