「相談援助におけるスーパービジョンの意義について説明せよ。」
1、スーパービジョンのアメリカにおける歴史的変遷
ケースワークの源流は、慈善組織協会(以下、COS)の活動にある。COSの活動を支えてきたのが「友愛訪問員」と呼ばれるボランティアであった。ボランティアである友愛訪問員の教育・訓練・指導は有給職員の責任であった。これがスーパービジョンの萌芽であるといわれている。
1920年代、第一次世界大戦の影響で、スーパービジョンにおいても、スーパーバイザーとスーパーバイジーの関係が「治療的関係」であることが強調されるようになった。この影響によってケースワークの技術がスーパービジョンにも応用される者として理解されるようになった。1950年代に入り、教育的機能と管理的機能が一人のスーパーバイザーによって可能なのかどうかという議論が行われた。これはスーパーバイザーが直面する宿命ともいえる課題である。
1960年代には、ケースワークだけではなく、グループワークやコミュニティ・オーガニゼーションへのスーパービジョンの適用も図られた。しかし、スーパービジョンの源流がケースワークとともにあっ...