為替フロートとは、外国為替市場で取引される為替レート(通貨の交換比率)を一定比率に固定せず、市場での需要と供給により自由に変動させる制度のことで、外国為替の需給は、国際収支(経常収支、資本収支)の影響を受けて変動する。
1950年代以降米国は、大幅な財政赤字に陥り、国際収支が悪化し、大量のドルが海外に流出した。ブレトンウッズ体制
為替フロートとは、外国為替市場で取引される為替レート(通貨の交換比率)を一定比率に固定せず、市場での需要と供給により自由に変動させる制度のことで、外国為替の需給は、国際収支(経常収支、資本収支)の影響を受けて変動する。
1950年代以降米国は、大幅な財政赤字に陥り、国際収支が悪化し、大量のドルが海外に流出した。ブレトンウッズ体制の下では、資本移動は厳しく制限されていたため、経常収支の不均衡を解消するためには、為替レートの伸縮性に期待された。しかし、巨額な米国の対外流動債務が、有利な運用の場を求めて、移動を繰り返したことで、米国は、固定相場制を支えてきた資本取引規制を緩和せざるをえなくなった。累積した対米流動債権が金融の規制緩和を促し、国境を越えて活動し始めたこと、その意味するところは国民経済の解体であり、国家を前提にした金・ドル体制(ブレトンウッズ体制)の崩壊であった。米国のニクソン大統領は1971年8月15日、ドルと金の交換停止を発表した。国際資本移動は従来の国民経済・国内市場の姿を変え、世界経済の様相をも一変させてしまったのである。これにより、ブレトンウッズ体制は崩壊した。そして、...