社会福祉制度の新しい仕組みへの移行が、利用者・家族の暮らし、社会福祉施設・事業所の運営・経営に与えている影響について明らかにした上で、福祉専門職に求められる課題とは何かについて論述せよ
わが国では、平均寿命が急速に延びている。その要因として医療の発達・生活水準の改善が深く関わっており、世界で一番の長寿国となっている。
平均寿命が延びるということは高齢者が増加し、介護を要する人が増加するということである。高齢化にともなって介護を受ける側も同時に介護をする側の高齢化も大きな問題となっている。これらの高齢者福祉問題は特定のことではなく、これからの大きな現実問題となっている。
社会福祉専門職の資格は、社会福祉制度のうつりかわりや社会の要請に応じながら多様化し、1987年には社会福祉士・介護福祉士、1997年には精神保健福祉士が国家資格として創設された。さらに、訪問介護員(ホームヘルパー)養成講座も整備され、2000年には新たに居宅介護支援専門員(ケアマネージャー)という資格も創設された。
また、社会福祉専門職の仕事の場も社会福祉施設や福祉事務所だけでなく医療機関、社会福祉協議会や民間営利企業などと広がりをみせた。
しかし、社会福祉基礎構造改革のもと、社会福祉制度に「利用契約制度」が導入されたことにより、社会福祉の理念は大きく変化し、利用者・家族の暮らしや、社会...