病態・症状・検査・治療についてまとめたものです。
色がついているところは先生に大切だと言われたところです。
参考文献:『ナースの内科学』奈良信雄/中外医学社(2010)
★膵炎★
◎急性膵炎
急性膵炎はアルコール多飲(40%)や胆石・胆管結石による胆汁の逆流(20%)により膵酵素が活性化され、膵の自己消化が起こるために発症する疾患である。高脂血症や薬剤も病因となるが、成因が不明なものもある。
軽症では膵臓の炎症性浮腫にとどまるが、重症化すると出血壊死が起こり、腹腔内出血、腹膜炎、さらには多臓器不全を起こして予後不良である。
<症状>
急激な上腹部痛で発症することが多く、特に脂肪分の多い食事や過食後、飲酒の後に起こりやすい。座位前屈で軽減する腹痛を特徴とする。
悪心・嘔吐を伴うことが多く、進行すると発熱もみられる。重症例ではショック、意識障害を呈する。
<診断>
症状から急性膵炎を疑い、血中、尿中の膵逸脱酵素(アミラーゼ、リパーゼ)を調べる。尿中アミラーゼ値は必ずしも重症度と関連せず、低Ca血症が重症度と相関するとされている。
腹部単純X線検査では膵臓周囲の小腸イレウス像や大腸ガス分断された像がみられる。
<治療>
原因が取り除かれれば多くの場合は予後良好であるが、重症型の場合はショック、DIC、多臓器不全(MOF)となり、予後不良...