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1.家制度の成立
中央集権政治を実現するために、人民掌握と封建的身分の解放が不可欠とされ、1871年に戸籍法が制定された。編製年の干支から壬申戸籍とも呼ばれ、全国一律の基準で集計した画期的なものであった。この壬申戸籍は、現実の生活単位である「戸」に基づき把握しようとしたもので、身分制を否定した四民同一制が採られたが、記載様式が特に定められなかったことから、地方によっては身分が記載されるなど、書式の詳細に格差が生じる結果となる。1886年には統一書式の戸籍へと変更になるが、後に被差別部落民かの確認に用いられようとした事件にもあるように、戸籍制度開始時点で問題点があったと考える。こうして、全国民は現実の生活単位である「戸」ごとに、同一形式の戸籍という手続によって把握されることになるが、通常は、何らかの目的があって手続が必要となるはずである。しかし、戸籍制度は手続によって権利・義務を強制的に分けたもので、封建的な方法であったと考える。このような戸籍制度が土台となり、「家」制度が形成された。
2.家制度の概要
家制度は、明治民法に使用された家族制度であり、親族関係のある者のうち更に狭い範囲の...