「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ。」
序
現代の学校教育は、学力問題、授業崩壊、いじめ、不登校などの諸問題を多く抱えている。その中で、教育がどのように社会に影響を及ぼし、反対に社会の変化が教育にどのような影響を与えるのかを考えていき、その相互のメカニズムを社会学的に明らかにして、今後の教育改革に役立てることが重要であるといえる。
特に学力問題においては、高学歴社会の視点から考えていく必要がある。これらについて指摘し、そこにどのような課題が残されているか考察することにする。
本論
まずはじめに、学歴社会とは何かということを、その特徴や、どうして学歴社会が現代まで続いてきたのかを考えていきたい。
学歴社会とは、「社会における社会的、職業的地位などの配分の基準として学歴が重きを占める社会」とされている。古くは、身分階級に縛られた形で人の教育、職業が決定されるシステムであったが、明治以降の欧米へ対抗する国家目標の達成のためには、幅広い分野で相当数のリーダーが必要に...