日本史入門 分冊1

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    資料紹介

    平安時代後期の時期における我が国の海上交通ルート、河川交通ルートの発達状況について

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    日本史入門
    王朝国家体制による変化
    十世紀に入ると政府は班田の実施をあきらめ国衙の保持する土地台帳を基準とし、徴税を行わせるようになった。そして、徴税権、国内の検田権、裁判権を国司に委任し、固定化した官物の貢納を完全に請け負わせるようになった。これにより国司、受領による租税の請負体制、それぞれの国の長官が国家に納めるべき一定額の租税の納入を独自に行う体制が軌道にのり、これまでの官僚制的な地方制度は、まったく実質がなくなる。
    また、官司組織の解体と変質のなかから下級の官人の中には受領の下で弁済使となり、貢納物を立て替え、原初的な手形の機能を持った切符、切下文、替米等を運用し、富を集める人もあらわれた。さらにまた、本来官司のもとに組織されていた多様な手工業者や運送業者、山民・海民などの職能民も、このころ独自な職能集団となり、官司の寄人という立場を保ちつつ、広く社会の中で自らの職能活動を展開しはじめる。こうした体制の形成が可能であったのは、前提に安定した海や川による交通の活発化があり、様々な物資や人々が自在に動ける状況が発展していたからと考えられる。
    独立国家と海上交通ルート
    一方、935年...

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