法の解釈について、具体的事例を挙げながら論じなさい。(2011年度第4課題、評価C)
1、法の解釈とは
法は、その効果を実現するため、具体的事実に当て嵌めて運用しなければならない。これを法の適用という。原則としてわが国でこれを主たる任務としているのは裁判所である。
法の適用は二つの段階から成る。第1に事実の認定、すなわち法の適用の前段階として客観的事実を人証・物証に基づき再構成する作業で、これにより具体的事実を確定させる。民事訴訟の場合、原則として証人・証書・その他証拠資料の提出は当事者の自由で、裁判所は提出された証拠のみを調べれば足りる。これに対し刑事訴訟の場合、犯罪事実の認定にはただ証拠があればよいのではなく、実体的真実主義の立場から証拠能力があるか調べる必要がある。過去の事実は証拠により証明される。事実をどのように再構成するかにより適用する法が同じでも全く異なる結論になる場合や適用されるべき法の原則そのものが異なる場合もあるので、具体的事実を確定させる上で、証拠は非常に重要なものになる。
第2に法の解釈である。その確定された具体的事実に当て嵌める法を見出し、解釈し、その法を適用させる。法の解釈とは、一般に成文法を中心とした実定法に含まれている法規範の意...