これだけ何度も読んで合格しました。
哲学概論Q0505
①プラトンの洞窟の譬えについて、彼のイデア論を中心に説明せよ。
この比喩では4つの存在の種類があり、しかもそれらが段階的であることが示されている。
各々の存在は、各々異なる認識能力によって把握される。
洞窟内の認識
①壁面に投射されている影像の認識
②その実態として人々が持ち歩いているさまざまの模像の認識
地上での認識
③地上での事物の認識
④太陽の認識
このプラトンの4種の認識は私達の認識能力を検討して分類されたのではなく、逆に存在が4種に分類されることによって、分類されたものである。つまり認識の区分の規準は存在にある。認識論は存在論を前提としている。その存在は、広い意味では生成・変化する存在と永遠不変な存在とに分かれる。後者はイデアである。イデアはソクラテス的な普遍的定義である。イデアは真実の実在である。生成変化する過程は存在の名に価しない。イデアだけが存在の名に価する。両者の間には断絶があって、生滅変化する存在は永遠なイデアへ展開していくことは出来ない。イデアには生滅変化する存在に関与し、分与される性質がある。従って、生滅変化するものの何らか...