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1、マクロ経済政策の必要性
マクロ経済政策は、経済成長を高める成長政策と景気の変動を緩和する安定化政策に分けられる。経済成長とは、一国の実質GDPを増大させ、このGDPが大きいほど一般的には望ましいといえ、これを長期的にサポートし、GDPを拡大させることが成長政策である。安定化政策とは、その名の通り、経済全体の供給能力に対して実質GDPの上下振幅をできる限り縮小し、実現する実質GDPを供給能力の近辺に安定させるための政策である。ただし、安定化政策とは不況対策だけを指すわけではなく、不況期に景気を浮揚する政策を実施する一方で、景気の過熱に対してはそれを冷却する政策を実施する必要がある。この両者を合わせて「安定化政策」といえる。
本来、個人主義、自己責任の市場メカニズムを前提としている資本主義経済では、政府の経済政策は必要ないはずである。しかし、現実の経済では市場の失敗を起こすこともあり、それに対応するために経済政策には大きな役割が期待されている。
2、財市場の均衡とIS曲線
財市場均衡はY(実質GDP)=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)と表される。
また、IS曲線(図1)...