看護の語意、語源について、現在の看護の定義(ANA、JNA)、看護の歴史的経緯、専門職看護について
看護は「看(みる)」と「護(まもる)」を合成した言葉である。「看」は手をかざしてよくみることを示し目で対象をみる場合にのみ用いる。「護」は右側の字はそとからつつむように持つことを示し、外からとりまいてかばうことの意味がある。大辞泉では、「看護」についてけが人や病人の手当てや世話をすることとあり、「看護」は「看病」より意味が広く、「出産したばかりの妻を看護する」「年老いた父の看護にあたる」のように用いる。類似の語に「介抱」があるが、「介抱」は一時的に相手の世話をするような場合にいう。「脳貧血で倒れた友達を介抱した」「酔っ払いを介抱する」の場合は「看護」はふさわしくない。「看護」が見守ることなども含むのに対し、「介抱」は具体的に世話をするという意味合いが強い。
看護nursingという言葉は養育、愛育、保育保健、健康保持増進、外傷をさけ、疾病または虚弱者に治療処置を施すなどの意味を含む語源から出ている。看護の目的は常に健康の保持増進をはかり、あるいは疾病の回復を助けみちびき苦痛苦悩をとりのぞくためにつくすことである。古くは人間の母性愛、母親のいたわり、思いやり、子供の世話などを起...