地域福祉の理論と方法2

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    資料紹介

    『地域福祉の理論と方法②』
    「地域福祉の推進方法について述べなさい」

    資料の原本内容

    『地域福祉の理論と方法②』
    「地域福祉の推進方法について述べなさい」
     地域福祉とは、さまざまな問題を抱えている人々が、地域において自立生活できるよう必要なサービスを提供することである。このために、社会資源の活用・社会福祉制度の確立・福祉教育の展開が総合的に行われる。
     2000年に、社会福祉法のなかで、地域福祉ということばが初めて登場した。そこでは、地域福祉の推進に努めなければならないことが記されている。その主体としては、地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営するもの、社会福祉に関する活動を行うものと大きく3つに分けられ、従来よりも広範囲となった。近年、地方分権化が図られ、社会福祉の分野においても地域福祉の推進が法制化されたのである。
     地域福祉でいう地域とは、市町村を基盤とした地域をもっとも重要な圏域と考えられる。そのうえで心理的に支えあいたいと思える心理的アイデンティティのもてる地域と考える必要がある。そのような地域福祉が成立するためには、住民の身近なレベルで社会福祉のあり方を考え推進できる制度として、社会福祉における市区町村分権化が確保されていなければならない。そして、地域で、つまり在宅で自立生活することが可能となるように、在宅福祉サービスが施設福祉サービスと同じように法的に位置づけられ、制度として確立していなければならない。さらには、それらが長期的に整備されていく見通しとして、市区町村ごとに地域福祉計画づくりが必要になる。
     社会福祉においては住民と専門職の双方に自発性・開発性が求められ、地域福祉においてはそれらがとくに住民の方に強く求められる。地域福祉は常に新たな問題発生に直面する領域であり、住民参加により推進され続けなければならない形成概念である。住民が参加して地域福祉を推進する機能や諸活動は以下のように整理できる。
     ①住民参加・参画推進機能…福祉のまちづくりを形成する主体者を仲間として増やすこと自体が住民も最も重要な役割といえる。具体的には、当事者組織化、ボランティアセンター運営、小地域福祉活動、広報・福祉教育の学習活動、共同募金など。②地域ケアシステム推進機能…具体的には、ニーズ早期発見システム、福祉サービス苦情対応、福祉サービス評価、サービス開発プロジェクトなど。③地域自立生活支援機能…当事者の一市民としての地域社会での生活を全般的に援助することを目的とした諸活動をさす。具体的には、総合相談、権利擁護、生活援助サービスなど。④基盤的機能…上記の3つの機能を発揮するための基盤活動や事業として、地域福祉計画(市町村によるもの)、地域福祉活動計画(区や地域によるもの)などの策定がある。
     以上4つの推進機能における諸活動・事業のあらゆる場面に、住民はなんらかの形で参加することが可能である。そのときの参加形態は、活動・参画・運動・評価に分類される。活動とは、ボランティアなどの実際の活動である。参画は、行政計画の委員会参加のような行政施策の意思決定への参加である。運動は、ソーシャルアクションにより行政や社会へ訴える方法である。評価は、行政福祉計画などの評価への参加である。

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