佛教大学「心理学入門」第一設題のA評価レポートです。
どうぞ学習の参考にしてください。
社会的アイデンティティと偏見について解説しなさい。
「アイデンティティ」とは自我同一性、自己同一性、あるいはそれによって立つところのもののことである。つまり、「私とは何者か」という問いに対する確かな認識のことである。その認識を持って自己紹介を行うときなど、自分を説明するときには、個人的特性の前に自分が所属している集団についての情報を提供することのほうが多い。こうした自己概念の有様を「社会的アイデンティティ」という。この「社会的アイデンティティ」の中でも代表的な国や国家に対するアイデンティティとそれによる偏見について考えてみる。
近代の日本において在日朝鮮人は、もっとも脅迫を受けてきた民族的集団であると言えるだろう。1970年代までに実施された各種の調査をみると、朝鮮民族への社会的距離はあらゆる人種・民族の中でも最悪、もしくはそれに近い値を示している。しかし、最近では朝鮮民族のことが語られる際に必ずしも否定的な語感を伴うばかりではなくなってきたようにも思われる。実際のところ、在日韓国人青年はどれだけの脅迫を体験しているのだろうか。つまり、どれだけ偏見を認知し、どれだけ差別事象を経験し...