ソーシャル実践は、関連する法制度の変化や、分野・領域の拡大、それらに大きく影響を受ける所属機関の運営方針など外的要因に規定されるが、実際の援助では利用者や家族、関係者の意向も影響を与えるほか、ソーシャルワーカー自身が有しているソーシャルワークの価値・知識・技術など内的要因にも大きく規定される。そこでの判断は決して単純ではなく、多くの情報を集めながら、何を重視し、何を媒介・調整し、どの様な制度・サービスを活用して問題解決を図るのかを、根拠をもって判断する必要がある。また、ソーシャルワークは、利用者の最善の利益を実現しようとする専門的活動だが、近年では、個人から地域を見すえた質の高いソーシャルワークが求められている事から、それらが適切にできるため実践者が日々の実践を行いつつ、そこで直面する課題を通して教育・訓練される独自のシステムが必要になる。スーパービジョンは、その様なソーシャルワークを行うために専門職の資質向上への教育・訓練活動として位置づけられるものであり、①スーパーバイザー(専門職養成を担う者としての責任を有する、スーパービジョンを行う側)②スーパーバイジー(スーパービジョンを受...