社会保障論Ⅱ(介護保険制度の概要と課題について)

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    「介護保険制度の概要と課題について」
    介護保険制度創設の経緯

    高齢期になると、高齢者の多くが介護が必要になると予想されている。戦後間もない時期には、高齢者が介護を必要とする期間は比較的短く、家族による対応も、ある程度可能であった。しかし、今日では、医療の進歩などにより、高齢者が介護を必要とする期間が長期化し、高齢者が家族に与える身体的、精神的な負担は大きなものとなっている。核家族化や独居高齢者世帯の増加が見られるなか、今後日本では、寝たきりや認知症の高齢者が急速に増加すると予想されている。このような状況を踏まえ、介護が必要な高齢者に対して必要な保健医療サービスや福祉サービスを提供することを目的として、介護保険法案が1996年の第139回臨時国会に提出され、1997年にの第141回臨時国会において成立し、介護保険制度は2000年4月より施行されている。
    介護保険創設以前の状況

    介護保管制度が創設されるまでは、高齢者に介護サービスを提供する社会保険制度として、老人福祉法に基づく措置制度と、老人保健法に基づいて看護や介護を提供する仕組みの二つが存在していた。

    老人福祉法に基づく措置制度...

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