佛教大学M6702,R0704「仏教文学」の第一設題レポートです。
A評価を頂いております。
参考文献や引用を記載しておりますので、ご自身でレポートを書かれる際の参考にしてください。
空海の『三教指帰(さんごうしいき)』について述べよ。
はじめに
本レポートは空海の初期の著作である『三教指帰』について述べるものである。レポートにおける考察の中で儒教や道教に比べて仏教がどのように優れているかについて空海がどのように考えていたかを示したい。
本レポートの構成について述べる。第一章では『三教指帰』の概略について述べる。第二章ではなぜ『三教指帰』が書かれたのか、そして空海は儒教、道教、仏教についてどのように考え、どのような理由で仏教が最も優れていると結論づけたのかについて考察する。
なお、本レポートにおいて『三教指帰』の本文を引用する際には空海著、加藤純隆、加藤精一訳 『ビギナーズ日本の思想 空海「三教指帰」』(角川ソフィア文庫、二〇〇七年)から引用することとする。
第一章 『三教指帰』の概略
『三教指帰』は延暦十六年十二月、空海が二四歳の時に作成された。元々は『聾瞽指帰』という名前のついた一巻からなる著書であったが、唐の留学から帰国後に中国の学者の考えを参考に序文を書き直し、本文の詩の字句を改め、三巻に分けたものが現在に伝わる『三教指帰』である。
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